ホンダDNA<納車編>

★執筆日:2002.12.1★

 さて、いよいよ納車編です。納車までの2週間、私の頭の中はもう車のことしかありませんでした。納車が楽しみで楽しみで仕方ありませんでした。 この感覚はそう、子供の頃に親からクリスマスプレゼントか何かで田宮のラジコンカー(ホーネット)を買ってもらったときのようです。ドラクエの発売日の前日のようです。とにかく、ワクワクドキドキもう楽しくて仕方ありません。 納車の前日なんて、もう最高潮です。夜も寝られないって感じです(実際には寝られましたけどね)。

 そしていよいよ納車日。その日の朝はいつもより早く起きて支度を整えました(いつも昼頃まで寝ている人間なので…)。 今まではディーラーには親父のセカンドカー「ジムニー(スズキ)」で出向いていたのですが、この日はどういうわけかバスを使う羽目になりました。親父が新車に同乗してみたいと言い出したためです。 ちなみに、私は車に関して全く素人だったので、今回の購入には通勤で車を5〜6台乗り潰している親父も同伴してもらっていました(ほとんどがトヨタ車ですが)。やっぱり初めての場合はベテランを連れて行った方が良いです。 オプションに何を付けたらいいのかわからないし、足下見られる可能性も高いので。

 この日はあまり天気が良くなく、朝は小雨が降っていました。しかし、ディーラーに着いたときにはすでに雨は止んで、なんとか天気は持ちこたえました。 予定より早くディーラーに着いてしまったため、ディーラー側はまだ納車準備中でした。洗車中なのでもう少し待って欲しいということで、先に最終手続きおよび説明を受けることにしました。 あれこれといろいろ説明を受けて、30分ほど経ってからでしょうか。納車の準備が完了したとのことで、いよいよ正式に愛車とのご対面となりました。

 そこには、Euro-Rと同じ外装が施され、白く輝くボディと専用アルミホイールを装備した一台の車がありました。180馬力という高スペックと、カタログで見たあの車と寸分違わぬそのデザイン…。 もう……最高の一言です。これが私の車になるんですね?私の車なのですね?感無量…やりました!ついに自分の車を手に入れるときが来たのです!それに、やっぱり格好いい!この車を選んで正解でした! このときの感動は今でも忘れられません。おそらく、私の人生の中でも最高の日のひとつとなることは間違いないでしょう。

 まず、傷がないかどうか確認してくれとのことで、さっそくボディからタイヤ、ホイール、内装まですべてチェックを行いました。そして、問題がないということを確認した上でサインをしました。 次に、エアコンやこの車の特徴の一つである「Sマチック」の説明を受けるため、さっそくエンジンスタートさせます。セルモーターが回り、軽快にエンジンがかかりました。 エンジン音は、決して荒々しくなく4気筒エンジンとしては静か。気品というものを感じ取ることが出来ました。

 この車のシフトレバーはゲート式になっており、通常式とマニュアルしか見たことない私にはとても新鮮で高級感あふれるものでした。 また、「Sマチック」というマニュアルライクなスポーツモードを備えているのも、今までの親父が購入した車にはないものでとても満足度の高いものです。 営業マンは「グランツーリスモやったことありますか?あんな感じでシフトチェンジできるんですよ」と言っていましたが、私はやったことないのでよくわかりませんでした(笑)。 でも、要はスポーツモードにして、+側(前側)に倒せばシフトアップ、−側(後ろ側)に倒せばシフトダウンという操作をドライバーが自由にできるというわけです。

 外装ばかりに目がいっていましたが、内装も黒を基調としたデザインはとても好感が持てます。親父臭さが全く見あたらず、実にスポーティ。ハンドルも抜群のホールディングで文句なしです。 さすがAT車最上級グレード、それも最後のマイナーチェンジで登場した「Euroパッケージ」ということだけあって、内装・外装ともに質感はとても高いです。

 そしてすべての説明が終わって最後に、ディーラーで記念の写真を撮ってくれました。アコードと並んでの納車記念写真です。デジカメでの撮影で、その場でプリントアウトしてアクリルの額縁に入れてプレゼントしてくれました。 ホンダではこういうサービスを行っているのですね。メーカーの愛車精神というものを感じました。ちなみに、親父は納車のときは自宅まで車を持ってきてもらっていたため、こういうのは初めてだったようでちょっと戸惑っていました。 まあ、ホンダ車は我が家では初めてでしたからね…。

 そして、新車「アコード」に乗って、いよいよ自宅まで帰ります。燃料がほとんどゼロに近いので途中でガソリンスタンドには寄りましたが…。走ってみてまず感じたことは、室内がとても静かであるということ。 これが「ジムニー」だとやかましくてしょうがなかったのですが、やはり4気筒であることもあってか、とても静かでした。6気筒エンジン搭載の親父のメインカー「マークII」に及びませんが、十分静かです。

 足回りは固め。しかしその分、しっかりとした感じがカーブでの安定性に繋がり、安心して乗っていられます。今思えば、これがホンダの足の味付けなのでしょう。 決して乗り心地が悪いわけではなく、むしろこれくらいの固さの方が走りやすくて快適であると思います。 トヨタの場合はかなり柔らかめに味付けがなされていて、この前久しぶりにマークIIに同乗してみたらまるで宙に浮いて走っているようでなんだか気持ち悪かったです(笑)。 納車初日は、自宅〜ディーラー間という短いドライブでしたが、この車のコンセプトである「走りと快適性の両立」というものを感じ取ることができました。

 我が家ではトヨタ車、日産車しか買ったことがなく(ジムニーは例外だが)、ホンダ車というのはまったく未知の車でしたが、結果的にホンダ車を選んで正解でした。 というのも、このアコードという車は実に楽しい!今までは親父のブルーバードやマークIIなどにたまに乗っていたのですが、ほとんど移動手段としか感じていなかったのです。 まあ、自分の車ではなかったからというのもありますが、アコードはよく曲がりよく走る。我が家の歴代の車の中では圧倒的な馬力を誇り、初のハイオク車なので当然ですが、根本的に走りの品質が違うような気がします。

 とにかく乗っていて楽しい。アコードという車は、この私に走ることの楽しさを教えてくれました。それは、エンジンをぶん回すということではなく、「軽快に快適に走る」ということです。 外装・内装ともに気に入っていますし、アコードのコンセプトも私が望んでいたものにピッタリ。しかも、アコードという車が誕生したのは1976年で、私の生まれた年と同じではありませんか! 運命的というか何というか、実に私と相性が良いようでやっぱりこの車を選んで間違いはなかったようです。

 というわけで、4回にわたる車購入話「ホンダDNA」はこれで終わりです。ホンダ「アコード」、良い車です。一生ずっと乗っていきたいほど気に入ってしまいました(笑)。


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