禁断の秘技!

〜かなり危険なパワーアップ〜

★1998.2.6 現在★


●警告●

このページに書いてある記事はすべてメーカー保証対象外です。よって、これらの作業をを行った場合の結果について、私や各メーカーは何の保証もいたしません。 また、なんらかの原因でパソコン本体・周辺機器等やデータなどを壊してしまっても、メーカー保証は受けられません。よって、これらの作業はすべて自己の責任のもとで行って下さい。

★まず、はじめに・・・。★

 「クロックアップ#2」はかなり危険が伴います。半田付けの腕によっぽどの自信がない限りは絶対にやってはいけません。また、もしこの方法でクロックアップに挑戦する場合、このページの情報だけで実行してしまうのはあまりにも危険です。必ずもっと情報を集めてから実行すべきです。ですから、「こんなこともできるんだな〜」程度に考えておいて下さい。 また、「INTELSAT」を試すときは出来る限りWindowsを終了し、MS-DOS上から実行すべきです。Windows上の「MS-DOSプロンプト」から間違った設定で実行するとWindowsのシステムやデータが破壊される可能性があります。また、MS-DOS上からなら大丈夫かと言いますと、必ずしもそうとは言い切れませんので十分ご注意下さい。


★その1.クロックアップ#2★

 「クロックアップ」ページでも書きましたが、今のPC-98は外部66MHz×3で内部200MHzにクロックアップすることができます。しかし、実を言うと外部クロックは最大80MHzまで引き上げることが出来ます。しかし、これはジャンパープラグによって簡単に実現するものではありません。外部クロック80MHzにするには半田ごてを使いますので、この手の作業に慣れている人でないと大変危険です。

では、どこに細工を施すかと言いますと、マザーボードの外部クロック周波数設定ジャンパースイッチの脇にあるチップ(写真1参照)の11番ピンをマザーボードから浮かしてください(半田ごてで半田を溶かすかピンを切断する)。そうすると外部クロック周波数を最大80MHzにまでクロックアップすることができます。

そのとき、外部クロック周波数設定ジャンパースイッチでの設定は表1のように変わります。よって理論上は外部80MHz×3で内部クロックは最大240MHzにまで引き上げることができます。しかし、Pentium200MHzが果たして240MHzのオーバークロックで動作するかどうかが問題です。多分、動作しないと思うので80MHz×2.5=200MHzで使用することになると思います。



写真1

写真1.外部クロック80MHzとするためにピンを浮かす必要があるIC
*写真の左側がパソコンの前面。
機種はPC-9821Xa12/C8(改)。

 また、外部クロックを80MHzにクロックアップしてしまうので、当然あらゆる回路の動作クロックも上がってしまいます。ですから、動作が不安定になる可能性があります。しかも、この動作クロック数は設計上明らかに規格外なので、PCIバスやCバス、メモリーやセカンドキャッシュメモリーがその速度について来られない可能性があります。 ただし、PCIバスは外部クロックの半分のクロック数で動作するのですが、PC-98のPCIバスは33MHz固定らしいのでPCIボードはそのまま使える可能性があります(絶対とは言えません)。ですが、セカンドキャッシュがダメになったという話も実際にあるので、このクロックアップには十分注意が必要です。

 そればかりではありません。この方法のクロックアップでは「ノイズ」がひどくなり、データエラーが起こりやすくなる可能性があります。そうなってしまっては信頼性もクソもありません。とても使いものにならなくなってしまいます。この改造をしてしまうと改造したのが一目瞭然なので、おそらくメーカーの有償修理すら受けられない可能性があります。 ですから、マシンを壊しても良く、かつ電子工作には自信があるという人以外は絶対にやらない方がいいです。しかし、この改造はやはり実行すべきものではありません。これをやるのでしたら次で説明する「INTELSAT」を使ったスピードアップの方が遥かに安全です。私もこの改造だけには手を出す気はありません。


表1.PC-9821Xa12/C8の禁断の外部クロック周波数の設定
外部クロック周波数SW2[1-2]SW2[3-4]
40MHzオープンショート
25MHzオープンオープン
30MHzショートオープン
80MHzショートショート


★その2.「INTELSAT」でスピードアップ★

 「INTELSAT」とはカルビさん作のフリーソフトで、PCIチップセットのレジスタのパラメータを変更することのできるユーティリティです。メーカー製パソコン、特にPC-98シリーズではこのパラメータを変更することができないのですが、この「INTELSAT」によって一部のパラメータを強引に変更することができます。 メーカー製パソコンでは安定性と品質管理を追求するため、そのPCIチップセットが持つ本来のパフォーマンスを若干落として安定性を優先しています。ですからそのPCIチップセットが本来のパフォーマンスを発揮できるようにレジスタのパラメータを変更してやればパソコンのパフォーマンスをアップさせることができるのです。

 しかし、当然メーカーの設定を変えてしまうわけですから安定性は犠牲になります。マージンがなくなるとパソコンはハングアップしやすくなってしまいます。よって、ハングアップするかしないかギリギリの設定を見つけるのがコツと言えるでしょう。しかし、このパラメータを訳も分からず変更するとパフォーマンスアップどころかシステムを壊してしまう可能性があります。 ですから、チップセットのレジスタ等に関しては事前に調べておく必要があります。Intel製のチップセット(TritonやTriton IIなど)は情報がIntel社のWeb上で公開されているらしいのですが、この資料を見てもほとんどの人は理解できないでしょう。つまり、「INTELSAT」によるパラメータ変更はパソコンに関して相当な知識を持っている人でなければ変更できないということです。

さらに、第2世代Xaシリーズで搭載されているPCIチップセットは「WildCat」というチップセットで、都合の悪いことにこのチップセットの情報は製造元のVLSI Technology社では公開していないらしいのです。ですから、事実上「WildCat」搭載マシンはレジスタ変更不可能ということになります。

 しかし、実を言うと私は今、「INTELSAT」でチップセットのパラメータを変更して使っております。インターネット上の掲示板にちょうど設定値が載っていたのでそれを適用させていただいているだけですが、インターネットって便利ですよねえ(笑)。以下にその設定値を記述しておくので参考にしてみて下さい。 ただし、この設定値はPC-9821Xa12/C8でうまく動作していますので、チップセットに「WildCat」を使っているマシンにのみ有効です。その他のチップセットを搭載しているマシンでは絶対に実行してはいけません。システムが破壊される可能性があります。また、同じ「WildCat」搭載のマシンでも必ずしもうまく動作するとは限らないので注意して下さい。私は何の保証も責任も持てませんから。

 なお、この設定はXa12のセカンドキャッシュメモリが、標準搭載されている256KBのものである場合に有効なようです。512KBに増設すると一行目の「INTELSAT 54 A0」でリセットがかかってしまうかハングアップしてしまいます。しかし、私は512KB搭載時でもハングアップしない有効な設定を見つけることができました。レジスタ54Hはセカンドキャッシュに関するレジスタのようで(多分)、そのデータA0Hは256KB用の設定値で、512KB用の設定値はA8Hとなるようです。 つまり、一行目の「54 A0」を「54 A8」に変えればいいのです。これで問題なく動作するようになるとは思いますが、先ほども言ったように同じ「WildCat」搭載のマシンでも必ずしもこの設定値でうまく動作するとは限らないのでご注意下さい。ちなみに私はアイ・オー・データ製の「NE-XA512K」を中古で安く購入することができたのでこれを使っています。あまり関係ないと思いますが、他社製品でもこの設定が有効なのかどうかはわかりません。

MS-DOSのコマンドラインより

INTELSAT 54 A0 (←512KB搭載時はA0をA8にする)
INTELSAT 5A 05
INTELSAT 5E 00
INTELSAT 5F D0
INTELSAT 64 50 /D:6

 さらに、おまけとしてノートパソコンのPC-9821Na13/H10についての設定値も以下に記載しておきます。Na13/H10に関しては使われているPCIチップセットがIntel社の「MobileTriton」であり、「INTELSAT」がその資料をサポートしていたのでメモリー関連のレジスタを簡単に見つけることができました。レジスタ58Hがメモリーのアクセスタイミングに関するレジスタで、レジスタ57Hがメモリーのリフレッシュレート等に関するレジスタです。

INTELSAT 58 D5
INTELSAT 57 84

 なお、「INTELSAT」使用時において作者のカルビさんは以下の制限を掲げています。絶対に守って下さい!

・当ソフトを運用した結果について、メーカーに問い合わせをしないこと
・当ソフトを運用した結果に基づいて、メーカーに不当な非難をしないこと

もしこれらを守れない人はすぐに利用を中止しなければなりません。また、何度も念を押しますが、これらすべての作業は自己の責任のもとで行って下さい。

 ちなみに「INTELSAT」はMS-DOS用のソフトです。ですから、バッチファイルを作ると便利です。また、変更したパラメータは電源を切ったり、リセットしたりするとすべて元に戻ってしまうので、ちょうど良い設定を見つけ、十分な動作確認をしたら、AUTOEXEC.BATなどに記述しておくと毎回起動するたびにいちいち変更せずにすむので便利です。 なお、「INTELSAT」の入手先は「Vector Software PACK」にあります。バージョンによってサポートしている資料が違うので、自分のパソコンに搭載されているチップセットに合ったバージョンの「INTELSAT」をダウンロードしましょう(「WildCat」に関しては元々資料がないのでどのバージョンでも大丈夫だと思います)。



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